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- 2012/1/21 18:50
- 初めての……
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- あれは、クリスマス間近の雪のシンシンと降る日の事である。
勿論の事、町はクリスマスムード一色だった… 特に予定の無い僕は、寒いなか外で一人立ちすくんでいた。
空から降りてくる妖精は、まるで僕の頭を撫でるように頭上に積もってゆく…
目線を上げれば、そこに映ってくるのはカップル…そしてカップルを祝福する色鮮やかなグラデーション。
僕は、その光景をただただ見つめそして小さく俯いた…
目には、もう溢れんばかりの涙が貯まっていた。
「もう泣かない」
そう決めたはずなのに、涙が止まらない…
シンシンと降る雪はまるで、そんな弱虫な僕を優しく隠して「泣いて良いんだよ」と囁いてくれているようだった。
そんな時…一人の若い女性が歩いて来た。
そして自分の方を見て、「ハッ」として小さく俯いた。
僕は、女性がこっちを見ていたのは解っていたが、自分の勘違いだと思い、あえて無視をした。
しかし女性は、ずっとこちらを見ていた。
もう、変な勘違いをする自分がイヤになっていた僕は、その場を離れようとした。
その時…
「…………あの!」
女性が僕を引き止めた。
しかし僕は無視して歩きだす。
しかし女性は、根気強く僕を呼び止める。
僕は、根気負けして女性の方を向いた、彼女は真っ赤な顔を俯かせ、目はあちこちに泳いでいた。
そして思い立ったかのように僕の方を見て、こう言った。
「あの…ズボンのチャック開いてますよ!」
- あれは、クリスマス間近の雪のシンシンと降る日の事である。