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    • 2011/6/29 10:51
    • 短編小説(願い)
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    • 給料前。
      正確に言うなら給料1日前。
      朝から水ばかり飲んでる。
      お金が1円も無くここ3日間水だけの生活をしてる。
      何度もカラの冷蔵庫を開けては、ため息をつく。
      情けない話しだが、2週間前に全財産入り財布を落とした。 CDや本を売って食いつないで来たが、それも3日前の朝までしかもたなかった。
      イライラするし、眠れないしで最悪限界に来てる。押し入れの洋服のポケット中に、小銭でもないかと捜すことにした。
      押し入れを開けて山積みになった、洋服を出してると、足元にコロコロコロっとカ ップ麺が転がって来た…
      「あはははは、お前何でこんなとこに居るんだよ」涙を浮かべながら、カップ麺に頬ずりした。
      さっそくお湯を沸かす。
      久しぶりのご馳走に鼻歌まで出てる。
      お湯が沸くまで、カップ麺を準備。
      真っ黒な容器に金色でラーメンと書いてある。
      初めて見るし買った記憶も無かったが、今の餓死寸前の俺にはどーでもよかった。フタを開けると何かのカタマリが入ってる。
      「これがラーメンの素かぁー」勝手にそう思いながら、お湯をそそぐ。3分が長かった……。何度も、途中で開けてしまいたい誘惑にかられたが、死にもの狂いで我慢した。いよいよラーメンとのご対面。
      長かった3分も、今となってはなつかしい思い出である。フタをゆっくり開けると、湯気がモアモアっと…… ん?モアモアどころかモクモクと…部屋中に広がった。
      急いで換気扇をまわすと、湯気か煙が消えるのを、待った。視界も良くなりカップ麺に目をやると……
      「ギャ━━━━ッ!!!」
      カップの容器の中に20センチ位の男が立ってる。
      驚きのあまり、半分目玉の飛び出した俺は、恐る恐るその男に声をかけた。
      「おおおおおい、おおおお前は誰だ?」するとチャイナ服を来たその男は、片言の日本語でこう言った。
      「私はラーメンの精あるよ。あなた、閉じ込められた私をタスケテくれた。」
      俺は呆気に取られてボーっと聞いてたが、ラーメンが食べれないのに気づき急に腹立たしくなって来た。
      続けて男は言う。「タスケテくれた、お礼に貴方の願いをひとつだけ叶えてあげるよ。」
      でも、その男が言い終わる前に俺は叫んでた。
      「俺にラーメンを食わせろぉぉ━━!!」
      チャイナ服の男は消えテーブルの上にポツンとカップ麺が乗っている。
      俺は後悔の中、涙と汗と鼻水と共にラーメンをむさぼり喰ってた。

      ★おわり★

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