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    • 2011/6/25 9:21
    • 短編(優しい午後の風景)
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  • "アバター"
    • 私が彼に再会したのは五年ぶりだった…。
      一人でぶらりと買い物をしている時に、不意に声を掛けられた。
      懐かしい声…。
      振り返ると彼が立ってた。少し、はにかむ彼…。
      久しぶりに
      あの時の甘い胸のトキメキを感じた…。
      高校生だった私は、一つ年上の彼が、私の全てだった。
      初めての恋…。
      初めてのキス…。
      そして初めての外泊…。
      彼は遠くの大学に行き遠距離恋愛をしたが、その恋愛も半年しか、もたなかった…。夏休みに一度だけ会ったけど、もう昔の彼では無かった…。
      垢抜けた彼は、すっかり大人の男になっていた。
      その帰りに私は泣きながら帰ったのを覚えてる…。
      手の届かなくなった彼が悲しかった…。
      それから五年間…。
      彼に会うこともなく、私は空洞になった心のまま過ごした。
      何人かの男の人と付き合ったが、やはり彼と比べてしまう自分のせいで、長くは続かない…。
      私は彼の面影を引きずり生きている…。
      そして…。
      今日、五年ぶりに再会した。お茶でも…と誘われ今こうしてテーブルを挟んで会話をしているのに…。
      昔は…、彼の話す一言、一言が好きだった…。
      柔らかく相手を包み込むような、喋りにいつも和まされていた…。
      お茶を飲み、外に出て暫く二人で歩く…。
      街並の喧騒さの中を…。

      私は…。
      彼の仕種が好きだった…。彼の匂いが好きだった…。時折見せる彼の照れて笑う笑顔が好きだった…。

      そう…。
      私が好きだった彼は…。
      高校時代に愛した彼…。
      その思い出を美化させて私はこの五年間を生きて来た…。
      バスに乗り込むと、彼が小さく手を振ってくれた…。あの頃と変わらぬ笑顔で…。
      私はバスの一番後ろに座りいつまでも彼を見てる…。『さようなら』
      心の中で何度も囁いた。
      バスは四つ角を右折し、彼は見えなくなった。
      溢れ出す涙…。
      心から愛した彼は永遠に私の脳裏に残る事だろう…。
      この素敵な恋愛が出来たことを私は神に感謝した。

      変わったのが彼だけじゃなく私も変わった…事に、今気付いた。

      バスを降りて、私は空を見上げる…。
      澄み切った青空は、どこまでも遠く拡がっている…。私は両手を挙げて大きな伸びをした。

      ☆おわり☆

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