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    • 2012/2/8 2:10
    • 伊藤計劃
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    • [YouTube動画] "Mystery ゲストルーム ゲスト:伊藤計劃氏" について:
    • 伊藤計劃。


      この名前を知ってしまったことが、僕の最大の幸運で、かつ不運であったように思える。


      始まりは僕が傾倒するゲーム、メタルギアソリッドのノベライズを氏が担当した、という極々単純な理由だ。当時小説であり、言葉であるということの意味が分からない時分に読んだために、その文章の持つ繊細で、恐ろしく、美しいものを知ることはなかった。


      その後、本格的に小説を読み始めて、どれくらいが経っただろうか。僕はもう一度、彼の見た物語の中へと視線を落とした。
      とにかく、凄まじかったのは記憶している。小説でしか、文字と言葉でしか映し出せない世界の側面がそこにはあった。
      伊藤さん自身の言葉を借りるならば、位相である。伊藤さんが見つめていたもう一つの位相が、緻密に、虚像としてではなく、確固とした実体を持って浮かび上がっていた。


      自分が、数多の作家のことを尊敬することはあれど、ここまで心惹かれ、ファンになってしまう作家が出来るとは思っていなかった。
      僕はすぐに伊藤計劃の書き起こしてきた物語を探すようになる。長編作品を読み、出来ることならば短編の載った当時の雑誌も手に入れたいと切に願っている。


      しかし、もう伊藤計劃の書いた小説は、これ以上の新しい位相を照らし出すことはない。それがどうしようもなく悲しい。
      同時に、計劃氏が作品を僅かながらにも遺していってくれたことが、同じくどうしようもなく嬉しかった。


      つい先日、芥川賞を授賞した同期の作家、円城塔氏が、伊藤計劃の遺稿「屍者の帝国」を完成させることを発表した。
      今現役である作家にも、末端の読者である自分にも、伊藤計劃が置いていったミームが受け継がれている。
      僕はそれが喜ばしく、そして誇らしい。


      誰もが、心に響く一冊の本を見つけることが出来る。
      それを見つけられたことは、やはり僕の最大の幸福で、不幸だと思う。


      奇妙な文章になってしまったけれど、これを読んだ人が、伊藤計劃の在った位相を知り、なにかを感じてくれることを、ささやかながら祈っている。

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