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- 2013/6/18 16:36
- 緋王[鬼遊院 千早]【過去・二】
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- 鈴鹿が亡くなり彼女の息子が跡継ぎとなったが、式神である焔鼬に対する態度は次第に道具扱いとなり対等とは呼べない関係に成り果てていた。
焔鼬達は契約がある以上逆らうことも出来なかったが、緋王は鈴鹿以外の人間を認めることはなく、そんな態度が気に入らなかったのか鈴鹿の息子である男にひどい仕打ちを受けるようになっていた。
母である灰那は主たる男に態度を改めるように再三申し出たが、それは聞き入られないどころかさらに悪化し、鬼遊院家と焔鼬達との関係は険悪となっていった。
事が起きたのは緋王が人で言えば十五にも満たない頃、衰退し始め仕事も減っていった事に苛立った主の男が、人に化けることができた女の焔鼬の仲間に対し非道を働こうとし、それを緋王が止めた事から始まった。
緋王の私情から契約違反に至ったと皆は思ったが、全ての事情を知っている灰那だけがそうではないと分かっていた。
主の男は緋王が主に牙を剥いたと監禁し暴行し、焔鼬が血の穢れ嫌うこと知っていたながらその身を血で汚した。
灰那が緋王を許してくれるよう説得していたが、主の男はそれを許さず灰那が身代わりになれば許すというので、灰那は身代わりになろうとした。
それを許さなかったのが緋王で、母を助けたい一心と男に対する憎悪の感情と血の穢れのせいで暴走し、自分を捕らえていた男達を喰い殺し、主の男どころか鬼遊院家の者を皆殺しせん勢いで暴走を続けた。
暴走する緋王を止めることができたのは灰那だけで、緋王の凶行を目の当たりにした主の男や鬼遊院家の者は焔鼬の真の恐ろしさを思い知らせ、力を使い果たして動けぬ緋王はもちろん他の焔鼬達も調伏しようとした。
皆を守る責がある灰那は自分の首一つで鬼遊院家の者達に許しを乞い、“新たな長の命に従え”と同胞に堅く言い付け、その場凌ぎではあったが何とか同胞を守ろうとした。
鬼遊院家の者は灰那の言葉を信じたのかは不明だったが、他の焔鼬達の処分どころか事を起こした緋王も幽閉されることで事は収められた。
緋王が目覚めて事の顛末を聞いたのは灰那が調伏されて数日後の事だった。
続き『リンク:緋王【過去・三】』
- 鈴鹿が亡くなり彼女の息子が跡継ぎとなったが、式神である焔鼬に対する態度は次第に道具扱いとなり対等とは呼べない関係に成り果てていた。