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- 2018/6/28 3:22
- 読書記録 No.104
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- 『悪魔の孤独と水銀糖の少女』
著:紅玉 いづき(電撃文庫)
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黒い海に囲まれた悪魔の島。未来のないこの島に、死霊術師の孫娘・シュガーリアはやってきた。なすべきこと、やりたいことのためにその島で出会ったのは、ヨクサルという名の大罪人。罪の証の傷を無数に付けたその男は、「孤独」を糧に力に変える悪魔マーラーを背負っていた――
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Amazonレビュー ☆×2.5(4)
ねこレビュー ☆×3.2
この作者さんの本を最後に読んだのはいつだったか。
デビュー作の「ミミズクと夜の王」は童話的な雰囲気もあって好きだったのだが、そのまま続けてだした2作がどうにもピンと来なかったので、続けて買うことをやめたんだっけ。
この作者さんは本当にきれいな雰囲気を作るのは得意らしい。
今回も物語の中心シュガーリアを愛したくなるような子として書き、それを際立たせるような周囲の描写をしている。
本当に、見る分には綺麗。
ただ、ガラス一枚が挟まっているような感じで物語の中には入れない。入れてくれない。
シュガーリアもヨクサルも出てくる子は決して悪い子ではない。
物語の山場もちゃんとある。
なのに、どうして入れないのか。
考えてみたところ、入るためのドアノブを読者の手の届かない所に設定してしまっているからではないだろうか。
まず、シュガーリアの設定が死霊術師の孫娘という特殊過ぎる一方で、物語のラストに関わる特殊設定(まぁ、タイトルからおおよそ予測はしていたが)を隠す。
行動はわかりやすく、考えはするが悩みはしない。
そのため読者が共感できるところ、理解できるところはなく、結果まずドアノブ位置が高くなる。
また、シュガーリアが扱う死は読者にも理解できるところであるのだから、そこで何か論じて引っ掛けてくれても良いのだが、特に何もない。
さらに設定におされて物語の展開ももやや詰め気味で余裕がなくなってしまった。
もはやこれではドアノブがあるとは読者も思わないだろう。
アマゾンレビューの「ピンと来ない」もここらへんが由来だろうとおもう。
なんだか読んだだけ残念な気持ちになった。
今では、補正で「ミミズクと夜の王」も良かったと思い込んでいただけではないかとちょっと自分の記憶が心配になった。
- 『悪魔の孤独と水銀糖の少女』