アキノリ△さんとモバ友になろう!
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- 2009/6/12 10:37
- 詩「一冊の本」
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「「アメリカンビューティー」って映画でさ、ただ単にビニール袋が風に舞うのをずっとビデオに撮ってる奴がいるんだけどね、最近そいつの気持ちがようやくわかるようになってきたよ。」
オレオを半分にしながら、そんなことを貴方はつぶやいて、私が話しかけるのを遮ってしまう。
「新しい村上春樹の小説はさ、なんかわかりやすいよね
もっとわかりづらいかと思ったのにさ
これじゃ二回読めないじゃないか」
と、またわけのわからないことを話して、私の作った料理の感想は後回し。
「世の中には解らないことがたくさんあってさ、だから楽しくてワクワクするよね」
そんなこと話しかけられても、私は毎日の生活で精一杯
ああ、明日の私の誕生日も気付かないんだろうな
去年も何にもしてくれなくて、私が怒ったら
そんな大事なものだとは知らなかったよ
だったらちゃんと前もって言ってくれれば良かったのに
だなんて
第一、あの人は私のこと本当に好きなのかな
そして
私の誕生日
残念なことに日曜日。
もともと出かけるのが嫌いな彼は日曜日はいつも昼まで寝てる
そんな悲しい日曜日の朝、「今日さ、遊園地でも行かない?」彼が言ってきた。
「どうしたの急に?」
「早く支度支度~」
全く自分勝手なんだから。
あっという間に時間は流れる。
ジェットコースターのように。
「花火のよく見える場所に行こう」
そう行って手を引っ張られる。
花火が上がる。
光が二人を包み、彼は私の手のひらにそっと小さな箱を置いた。
「誕生日おめでとう。大好きだよ。」
そんな簡単な言葉が胸を刺す。
そんな素敵な1日の帰り道。
「前にさ、私のどこが好き?って聞いたよね」
「うん。わかんないって言われた」
「うん、わからないってのは僕にとって誉め言葉なんだ。もっとずっと見ていたい。初めて会った時からどんどん好きなとこが増えてるし、君の良さが解ってきているよ。」
「うん」涙が流れた。
「人生が一冊の本だとしたらさ、君の本があって、僕の本があって」
「うん」
「これからは二人で一冊の本になろう」