蚊+さんとモバ友になろう!
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- 2010/9/5 13:00
- 大きな岩
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その村には不幸な少年がいました。
少年は幸せになりたくて仕方ありません。
その村の入り口には昔から大きな岩で塞がれた幸せの怪物が眠るという洞窟がありました。
少年は幸せになるため、大きな岩をうごかそうとしますがびくともしません。
少年は長老に「あの大きな岩はどうしたらうごくの?」と聞きました。
長老は「一番幸せな人の名前をとなえれば大きな岩はうごく」と答えました。
少年は村で一番力持ちで人気者の男の名前を大きな岩の前でとなえました。「マゼラン」しかし大きな岩はうごきません。
少年は最近結婚したばかりの夫婦の名前を大きな岩の前でとなえました。「シュプール、ヘレナ」しかし大きな岩はうごきません。
少年は最近金婚式を迎え、子沢山で孫も大勢いる老夫婦の名前を大きな岩の前でとなえました。「ロバート、ジェーン」しかし大きな岩はうごきません。
少年は村で一番ののど自慢の女の名前を大きな岩の前でとなえました。「ジャネット」しかし大きな岩はうごきません。
しかしそうして幸せな人達の名前をとなえているうちに少年も幸せになり、大きな岩をうごかすことも忘れていました。
少年はある日幸せな気持ちで散歩していると、村の外れで泣いている女を見つけました。少年は「どうして泣いているの」とその女にききました。
その女は「私のとても大切な子どもを探しているの」と答えました。
そしてその女は少年の耳元で大切な子どもの名前をつぶやきました。
それは少年と同じ名前でした。
少年は大きな岩の前で自分の名前をとなえました。
すると大きな岩がうごき、中からは怪物がでてきました。
少年を“バリバリ、バリバリ、グシャグシャ、グシャグシャ、ゴックン”
村中を“バリバリ、バリバリ、グシャグシャ、グシャグシャ、ゴックン”
その少年の名前は・・・