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    • 2020/5/13 2:12
    • 水の惑星の片隅にて
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    • 夜‐私はひとり布団に入り息を潜めて文庫本を読みながら目を見ひらく。活字を滑らかに追っていると日常の些事から幾ばくか逃避ができそうで‐深夜の時が止まったような静に枕元の左にある電気スタンドをつけながら空気の質が濃くなったような朧な空間をふいに眺める。読みたい本を整理し差ほどでもない書物は古本屋にて売り払う。そのお金で飲食や音楽CDなどを買い、ひとときの贅に浸る。好きな曲のmelodyを口ずさんだりカセットテープに録音してツメを折り保存する。カーテンの先にある外の世界の闇を想像しながら真夜中の音色をからだの隅々まで染み込ませ、悦に入り少しだけ身が柔らかくなる。右がわの引き出しには最低限の衣類を収納し、靴下は厚みがあり歩きやすい物を冬場のうちに買い占めておいた。たまに壁を雑巾で拭き本棚には約30冊弱の自分のベスト書物がところ狭しと並んでいる。左手にはスタンドの横に爪切りやメモ帳らをいれたプラスティックの収納箱があり、最近は暑くなってきたので冬物衣類を奥に閉まって、グレイのパーカーやデニムを着てようよう外出している。連休明けの日々は陽射しがつよく、昼間は薄着くらいで丁度いい。キシリトールのガムを噛みながらハンドルを切り交差点をわたって活気のない町並みをぼんやりと眺めアクセルを踏む。もし都会に出て生活していたなら人生が好転したか、などと年甲斐もない叙情に浸り、好きな本の一説でも反芻しながら空いている国道を走り抜けていく。若かりし時から本好きではなかったがある日、そう、ある日を境になんとなく書物を意識するようになり、気付いたらヨーロッパの本などを手に取り悦ぶ自分がそこにいた。背伸びして辞書でむつかしい言葉や慣用句をしらべ、学生時代に興味もなかった歴史書や化学などの本で基礎知識を吸収し、それがなかなかどうして頁を捲る手がとまらず書物と対話するような日々となった。人が築いたものは果てしなく広大で己の無知を否応なく思いしらされる次第であるが、私はその知識の片鱗に触れることが出来たのはいやはや幸せな事だと痛感している。今年はソメイヨシノも遠巻きからしか眺めることは叶わなかったが、そのぶん活字から情緒にあやかり、お陰で春の夜の瞬きを至極、堪能できた。‐ひっきょう何事も奥深いのは当然なのだが己の体と向き合い心身の躍動を感じ、この水の惑星にて魂が震えたつことが活きる糧につながるのだと思う。

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