真CCCさんとモバ友になろう！
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- 2012/4/27 19:39
- サガン
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- サガン
Bonjour Tristesse
18歳の頃、戦地にいた僕に一通の手紙が届いた。
父親のように僕を育ててくれた、執事が亡くなったことが書いてあった。
実感が持てないとつぶやいた僕に、同僚のタップが
「そういうのって、あとでギュイーンって来るかもな」って、言ってくれた。
時は過ぎ、現代の話。
昨日、職場に会計士の人が来た。
このあと直接実家に帰るので、愛犬を車に待たせているとのことだ。
犬種はラブラドール。
ちょっとためらいながらも、会いに行った。
チョコレート色だった。
チョコレート色のラブラドール。
「ギュイーン」と、戦闘機の飛行音が聞こえた。
視界がぼやけて、何かがこぼれた。
またさかのぼって、7年前。
僕はカレー屋さんで、ビールを飲んでいた。
カレー屋さんとは言っても、カクテルもあるしおつまみもある。
「バリ島のバーをイメージしました」が、一番近いかな。
そのカレー屋さんの女主人は、僕の小・中学校の同級生。
偶然仲良くなって、後からそのことを知った。
中学生のときは、僕のことを好きだった記憶がある。
今は、仲の良い異性の友達。
ある日、満面の笑みを浮かべた女主人が店にいた。
あまり褒めたくはないのだけど、美人さんなので、その笑顔にドキッとした。
「見て見て」と、笑顔の女主人は店の一角を指さした。
籐で出来た籠の中に、子犬がいた。
チョコ……
チョコレート色のラブラドール。
チョコの成長は早かった
チョコはとてもおとなしかった
チョコは散歩が大好きだった
2年前、女主人から同窓会の案内メールが来た。
一緒に、チョコのことが書いてあった。
ガンで亡くなったことが書いてあった。
実感が持てなかった。
そして昨日の夜……
18歳の頃を思い出した。
タップは傍にいなかったけど、いるような気がした。
こんにちは、チョコレート色のラブラドール。
- サガン
