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    • 2011/4/25 1:52
    • 煙草
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    • 「ちっ。咳が酷くてロクに煙草も吸えやしねぇ」
       親父の最後の言葉だった。病人とは言え、苛立ちを露にする父の近くにいて良いことがあった試しがない。
       彰人(あきと)は席を立つと、父のいる病室を後にした。それからすぐに、父は息を引き取った。
       もちろん、煙草が直接的な原因だったわけじゃない。もしも煙草に即効性のある毒があるのなら、看護婦に内緒で親父に煙草を買っていくはずかない。
       駆け付けたとき、親父の口から落ちた煙草には、まだ、火がついていた。青い煙を立ち上らせている。

       親父が死んで、一ヶ月が経った。彰人は、徐々に父のいない日常に慣れ始めてきていた。幸い、父の仕事柄、金が集まるようであったらしく、日常生活を送る上で全く支障は出なかった。
       彰人は制服のポケットに手を突っ込むと、煙草を取り出し、火を着けた。父の吸っていたものと同じ銘柄だ。特にこだわりがあったわけではないが、なんとなく選んでしまう。
       彰人は胸の中にあるものを、煙草の紫煙にして吐き出した。
      「おい、そこの兄さん」
       誰かが呼んでいる。彰人は、路地裏の方を覗き込んだ。
      「兄さん兄さん、あんただよ。あんた、もしかしておれっちの声が聞こえるのかい?」
       声は、急かすように言った。
      「あぁ、聞えるが」
      「うっひょう! ビンゴ! 当たりだ! 当たりだよあんた!」
       声は、奇声に近い声で喜んでいた。彰人が更に路地裏に入っていくと、そいつはいた。
       思わず、彰人はくわえていた煙草を落とした。
      「ラッキィ! ストライク!」
       そいつには、首から下がなかった。落とした煙草の火種を、足で踏み躙る。


      どことなく思い付いたので書き殴り。もちろん煙草の銘柄、ラッキーストライクから。煙草の煙はおろか、愛煙家の存在すら煙たがられるこのご時世、愛煙家の方々は肩身が狭いようですね。狭っ苦しい箱のなかで、不機嫌そうに煙草を吸っている人を見るとそう思います。
      ちなみに肩身と形見をかけようなんてことは考えていませんでした。自然とそうなっていて、これはこれでいいかも、とか。中~長編の冒頭みたい。煙の能力者といえば、ハンターにもワンピースにもいるけど、シンプル故に応用がききやすくてかなり強いのかも。

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