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    • 2009/8/23 10:56
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    • ある病室に2人の末期ガンの患者が入院していた。 一人は窓側のベッド、もう一人はドア側のベッド。


      2人とも寝たきりの状態だったが、窓際のベッドの男は、ドア側のベッドの男に窓の外の様子を話してあげていた。


      「今日は雲一つない青空だ。」
      「桜の花がさいたよ。」
      「ツバメが巣を作ったんだ。」



      そんな会話のおかげで、死を間近に控えながらも2人は穏やかに過ごしていた。



      ある晩、窓際のベッドの男の様態が急変した。自分でナースコールも出来ないようだ。


      ドア側の男はナースコールに手を伸ばした……


      が、直前になってボタンを押す手をとめた。


      「もしあいつが死んだら、自分が窓からの景色を直接見れる……」


      どうせお互い先のない命、少しでも安らかな時をすごしたいと思ったドア側のベッドの男は、
      自分は眠っていたということにして、窓側のベッドの男を見殺しにした。





      そして窓側のベッドの男は、その晩、そのまま死亡した。


      翌日、ドア側のベッドの男はいよいよ窓側のベッドへ移ることになった。
      男は、看護婦に抱きかかえられてカーテンのそばに横になる。


      期待に胸がうちふるえた。


      そこから見える外の景色、これこそ彼が求めているものだった。




      そこから見えたもの、カーテンの向こうは、


      ただの
      薄汚れたコンクリートの壁だった…

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