助教授@クラウスさんとモバ友になろう!
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- 2010/7/31 22:51
- ゲーム
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- 僕達が連れてこられたのは真っ白な部屋だった。
その白が、遠近感無くどこまでも広がっているように感じる。
窓は無く、照明も見当たらないその部屋は、しかし何故か満杯の光に満たされていた。
足元には影さえ無い。
そんな不思議な空間に僕達を招いた大人の男性は、真っ黒なスーツとサングラスが白い部屋の中で威圧的に見えた。
彼は無言のまま、僕達が今来た通路へと引き返していった。
白い部屋唯一の異彩色である通路の出入口が彼を飲み込むと同時に白へと変わる。
すると正面の遥か彼方に、敵オブジェクトが現れた。
あれが今回の作戦目標。
部屋の景色が崖と荒野の渓谷に入れ替わる。
毎日のようにこの『ゲーム』をやっている僕達は、初めのような目眩を感じることは無くなっていた。
今日は火星での戦闘らしい。
僕達は生身。
空気の無い火星に人間が生身で立つことは不可能。
だけど、これはもちろん『ゲーム』内の仮想空間での話し。
目の前に置かれた数種類の武装から幾つかを選び、作戦目標を撃破するのが『ゲーム』の目的。
敵オブジェクトも反撃してくる。
ただアチラはAIによって制御されているらしく、日によって難易度が変わってくる。
今日は比較的簡単な部隊のようだった。
僕達の部隊は6人。
『ゲーム』開始の合図が鳴り響いた。
- 僕達が連れてこられたのは真っ白な部屋だった。