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- 2020/1/13 22:12
- ハリウッドの美しくない内幕
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- 「イナゴの日」
1975年製作(1976年日本公開)
1930年代。ハリウッドにやってきた青年トッド(ウィリアム・アサートン)は映画会社の美術部に就職する。
彼と同じアパートに住むのはセールスマンの父ハリー(バージェス・メレディス)と女優志望の娘フェイ(カレン・ブラック)の父娘らクセ者揃い。
そしてフェイは中年男性ホーマー(ドナルド・サザーランド)と同棲する。しかし、フェイの横柄さや性の乱れっぷりに耐え忍ぶホーマーだったが・・・。
「真夜中のカーボーイ」や「マラソンマン」のジョン・シュレシンジャー監督がナサニエル・ウエストの同名小説を映画化。
近年においても「ララランド」やタランティーノ最新作「ワンス~(以下略)」などハリウッド内幕映画が人気のジャンルながらコチラは内容が絶望と闇にまみれているのであまり日の目を見ないものの隠れた名作でした。
いわゆるロバート・アルトマン監督作品のような群像劇ですが、描く観点がもっとエグいという。
なにより後に「ダイハード」でテロリストよりもタチの悪いテレビレポーター役になるアサートンや金髪娘カレン・ブラックなどキャストに華がない。しかし、それが見事に作品にマッチしてるという。
総合すると、気分のいい内容でないので、あまりオススメできないが、よくできた作品でした。←( ゚д゚)
泥臭く、幻滅と鬱を呼びそうな人間模様ながら、撮影現場での大惨事のシーンやラストのパニックの人だかりによる惨劇という地獄絵図など結構大がかりな見せ場の凄みは今観ても見応えありますね。
ハリウッドの暗部、人間心理の闇、落ちぶれた人の絶望描写、狂気などホラー映画ばりの緊迫感は「サンセット大通り」に匹敵しますね。
とりわけ「1900年」と本作のサザーランドは怖いなあと。ラストの凶行の描写もなかなかキツイ。
映画製作の裏側でスポットライトを浴びない人々がメインのどす黒き残酷寓話として、一見の価値はあるので興味のある方は是非。
評価【★★★★★】
ただし、観たあと気分良くなる映画ではないので、機嫌や体調が悪いときは観ない方が無難です。
しかし意外にあと引かない不思議な魅力の作品なんですよね。
※画像はイナゴの佃煮。かつて亡き祖父に食卓で勧められたものの、未だ食べられてないですね(+_+)
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