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    • 2011/7/16 8:26
    • 夏の便り
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    • 勢いを増すばかりの猛暑に湿度は空に昇り、一面を黒雲で埋め尽し辺りの景色を一転させる。

      夕立に怯え家路を急いだが、辿り着く頃には背を押した仄暗い影は渇いた街を潤す事なく霧散し、陽の高い夕暮れが台所の小窓から斜めに射す黄昏時。

      流れる汗を冷水で拭い、振り返った視線を、迷い込んだ一匹の蜻蛉に奪われた――

      何蜻蛉と言うのだろうか。
      炎天下に日陰を求め、力強く機敏に群れ飛ぶ見慣れた蜻蛉と違い、華奢な胴体に朧げな翅、まるでエアプレーンを思わせる穏やかな飛翔で、夕陽の凪を静かに漕ぎ進む――

      停まった瞬間を見逃すほど見事な着陸で冷蔵庫の頂を極めたソレは、影法師すら持たない繊細さで、直に触れるのを躊躇い、キッチンペーパーを一節千切り、脆い躰を大きく包み捕えると、東の彼方に夜がにじむ光の海へ解放した。

      上下に揺れながら危なげに舞い、金色の波間にその身を淡く溶かして、見送る者を顧ず消え去る漂泊の旅人。

      戻った室内。彼の残した軌跡の余韻は、心に届いた一葉の夏の便り――

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