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- 2015/7/22 1:11
- 不倫物語51 妻をだまして
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- 「すごい、海きれいだよ」
ナミを空港まで送って行った翌日、そんな電話がかかってきた。
「今、どこなの?」
「那覇だよ。国際通りってところにウィークリーマンション借りたよ。こっちは安いね」
そんな話は知っていた。
富山に比べると、あらゆる面で沖縄は物価が安い。
「仕事はどうするの?」
「うん。派遣のバイトでやっていくよ。同じ場所じゃなくて、いろんなホテルに行くの。居酒屋とかもあるみたい。さっき面接してきて、一発OKだった。でも、時給安いけどね」
「そうか。でも、楽しそうでいいな」
おいらは、心からそう思った。もうすぐ梅雨入りしようかという感じの富山のどんよりとした天気より、そりゃ沖縄のほうがいいだろう。
おいら、暑いのは苦手だが。
「でも寂しいよ」
「おいらもさ」
「来ればいいのに。一緒に生活できたら嬉しいな。つかの間だけど」
「う~ん」
そんなことが可能なのだろうか。
結婚していて、妻を騙して何週間か沖縄に行くことが可能なのだろうか。
その夜、転職することを初めて妻に言った。
グレードの高い職場にキャリアアップすることを妻はそう、喜んでくれなかった。
富山では、キャリアアップのメリットより、転職という言葉のデメリットのほうが重視される。
「どうしても変わらなきゃいけないの?」
妻が言う。どうして喜んでくれないのだろう。
「うん。給料も上がるし未来もあるしそのほうがいいじゃん」
「そりゃ、そうだけど、親や親せきにどういえばいいんだろう」
どうして、そんなこと、向こうの両親や親せきに許可をもらわなければいけないのか?どうしてそんな発想になるのかを考えると、頭が痛くなり、腹立たしく思えた。
結局、妻が納得しないまま、おいらは転職を進めて行く。
こうなると、どさくさに紛れて、何でもやってやれと、勝負を賭けてみた。
「実は、オープン前に研修にいかなければならないんだ」
「えっ?どれくらいなの?」
「まだ分からないけど、2週間くらいかな。6月の終わりから7月の頭まで」
実は、今のホテルは6月中旬に辞めることになっている。
そして新しいホテルは7月中旬から。
その間…。
妻に給料明細を渡していないことが功を奏すかもしれない。
給料明細を見たら、どれだけ休んでるかとか、分かるからだ。
おいらは、妻が研修の事を信じそうなのをいいことに、どんどん悪だくみを考えていた。
- 「すごい、海きれいだよ」