もりくんさんの日記

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- 2007/6/23 21:15
- 流れ者の詩
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- 土ぼこりにまみれ、虫を追い払いながら、現地の焼飯を頬ばり、粉っぽいコーヒーで流し込む。そんな食事も久しぶりに楽しい気がした。
  さびれた出店で20円ほどのペットボトルの水を買う。
  先へ先へ、でたらめな交通の中、車を走らせる。黒煙を上げて走るバスには辟易する。
  窓の外を流れて行く人の暮らし、バラック、小さな雑貨屋、椰子の並木、ランニングシャツの子供たち、放し飼いの茶色い地鶏、薄暗い古いアパート、稲作の水田。
  こんなところに居付いて人知れず暮らすのも悪くない。衛生も悪くマラリアか何かで早死にするかしれないが、それが何だと言うのか。コンクリート固めた街で退屈な日々に我慢して送りながらもしかしたらちょっと長生きする、それが本当に幸せなんだろうか？むしろ、ここの人達は貧しくとも自分の人生に深い疑問は感じていないようだ。
  元々、今回の旅がどこかいつもと違ったのは、少し自分の人生に疑問を感じていたからだと思う。つい先月、10年程年長のとある男が病で人生の幕を下ろした。総じて恵まれた人生だっただろうが、本当に幸せだったのかは私には解らない。
  日本で金を稼いで暮らす。数字的には裕福なはずだが、ちっとも豊かさを実感できない。働きづくめて、年老いて初めて自分の時間がもらえる、そんなことで良いのだろうか？熱帯の今の寿命からみたら、日本で自由を手に入れる頃には平均的には命が終わっているころなのだ。
  熱帯の温かい雨をイモの葉をかざして家路急ぐ子供達よ、君たちはとても幸せそうだ。
  私は何処へ向かっているのだろうか？
  やがてまたジェット音が私を包み、浅い眠りが何処からかやって来た。まどろみの中、私は今自分の居る所が何処か解らなくなった。そして考え始める。次は何処へ向かうかを。