もりくんさんの日記

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- 2007/6/22 21:45
- 地を行く旅
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- 国内便の小型ジェットに乗り継ぎ、迎えのワンボックスカーを拾い、私は今日の宿泊地にたどり着いた。
  「このマチは初めてですか？」「そう、初めて。」私はこれまでに初めての都市をいくつ訪れたのだろう？
  ポーターが部屋のドアを閉めたのを見届け、部屋のマッチを擦り煙草に火を灯す。現地で落ち合う約束の人間に携帯から電話を掛けた。ロビーで待ち合わせて、中二階のレストランに落ち着くことにした。
  私は総じてホテルで取る食事が好きではない。むしろ街に出て日本では失われた無邪気な活気に触れたいのだ。
  しかし翌朝には街に溢れる車やバイクの中を走ることになる。我々は短い食事を済ませてレストランから立ち去った。
  そして、熱帯の曇り空の朝が緩やかにやって来た。
  街は既に目覚めて動き出している。我々を乗せたワンボックスは黒煙を吐く過積載のダンプカーや群れ飛ぶ羽虫のようなバイクに囲まれながら土ぼこりまみれの道を進む。誰も我々に感心は持たない、私も特に感心を持ちはしない。私は何時の頃からか、焦点を合わさずに風景全体を眺める癖がついている。
  私はそうやっていろいろなものをやり過ごして生きている。知らぬ間にやり過ごしてしまった大切なものも沢山あったことだろう。
  煙草の煙が風に流れ、消えていった。