あっきぃ@さんとモバ友になろう!
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- 2011/3/28 14:53
- 蒼空
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- 漸く、一息をつく。
儀式的には、四十九日法要などが残ってはいるが、取り敢えずの一段落が、兄弟に訪れた。
『家族葬』
という形を取り、細やかな規模での葬儀を選んだにも拘わらず、数多くの人々が、母の弔問に訪れてくれた。
石川県の我々兄弟の許に、大阪・奈良・東京から親族が集まり、それらの弔問客を出迎えた。
『明央』という、俺の名前。
母は俺に、
『いつも明るく、人の中央にいろ』
という思いを込めて、そう名付けてくれた。
その名に恥じぬ生き方をして来られたかどうかは、俺が決める事では無い。
だが、母を送り出す葬儀は、努めて明るい物にしようと心掛けた。
健常だった頃の母と訪れた、いしかわ動物園での写真。
それらをコルクボードに沢山掲示して、さもウェルカムボードの様に、棺の側に掲げた。
その中でも、一番笑顔でいる彼女の姿を、遺影に選んだ。
訪れた人々は、皆、驚いたかも知れない。
我々兄弟が、とにかく笑顔でいたのだから。
出棺の朝。
澄み切った蒼空が、何処までも拡がっていた。
……かあちゃん。
夜に爪を切ったから、やっぱり死に目には間に合わなかった。
だけど、意外と照れ屋さんだった貴女は、旅立つところを俺たちに見せずに逝ったのかな。
産んでくれて、有難う。
育ててくれて、有難う。
小説が大好きだった貴女の影響を受けて、俺は今、細々と物書きをしています。
何時の日か、貴女の事を、書こうと思います。
俺の分身の主人公は、既に俺の頭の中で動き始めています。
かあちゃん。
今まで本当に有難う。
俺たちは、貴女の強さを引き継ぎ、強く生きて行きます。
今日も、蒼空は広いようです。
- 漸く、一息をつく。