星原さんとモバ友になろう！
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- 2012/5/25 3:13
- 負け犬論者
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- 伝えたいのだと思った
それはもう世界中の誰より強くそう願ったのだろう。
自分と人は伝え合うことだった。
陳腐だったのは、撫で回すように空虚だったのは、自分にとって人がそうでなくなったから。
伝えたくて伝えたくて書いた
けれど
その手法や技巧に目を凝らすうちに気づいたんだ。
誰かの『わかる』は
自分の伝えたいじゃない。
10万20万と並べたら
そのうち一つ二つは伝わるだろうと
演説のように、伝わるだろうかと。
けれど、馬鹿だな、そう気づいた。
『わかる』ように書いて
『わかる』を引き出すことが正解な作業を繰り返すうちに
現実の人間に見る同じ印象を尽く痛感して
自分の中の、伝えたいは消えていった。
伝わらないと、思った。
そう気づいてしまった。
人が構えるミット
投げ込む作業に奔走する。
むなしすぎた。
書くことを止めたとき
自分が
ありのままの自分が
伝えたい自分が
誰かのわかるではないのだろうと
倒れ込むように、体中の力がなくなった。
『わかる』話をしよう。
ぼくがいつもきみにわかる言葉で、きみの共感を引き出すような人間なら
ぼくの伝えたいはきみのわかることの中にある。
ありながら、また興味と新鮮さを合わせもつ。
独りよがりなんかじゃなく
自分が孤独なんだと気づいて
そうじゃないはずだと信じて伝えたかった情熱はすべて
あなたがたへの興味とともに
ぼくの中から費えていった。
もう二度と
あんなふうに書くことはないのだろう。
こだわりを捨てるたびに
情熱がまた一つ、一つ、失せていく。
希望というほど大袈裟じゃない。
だから他人と過ごすこともさほど苦痛ではなくなったこれは、
期待という淡い恋心のような脆く拙い、一縷の願いだった。
気づいてた
あれからずっと
人に、社会にさえその感情を抱かずにやり過ごせるようになった。
そうして病とされたものは、薬よりも簡単に終わりを迎えた。
よくある凡人の
負け犬的な思考論。
- 伝えたいのだと思った
