ハルっコさんとモバ友になろう!
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- 2008/12/29 5:08
- 反面鏡師
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- 貴方が冷たい鋼鉄で塗り固めた其れを覗き込む。
苦痛が映える程の無垢な純真が其処に。
更に鋼鉄に触れてみる。
僅かだが生身の温度が指先に伝う。
繋がれた手を振り解いた後に残る温度と、よく似ていた。
其処から救いたいだなんて大それた正義などでなく、混ざりたいと思うが故、溶かしたいと願う私。
貴方はよく云った。
現実は余りに冷た過ぎて此れは鉄ごととおに凍てついたのだ、と心の蔵を指し。
「ううんまだ温かい」
私は何時も其の秘密をそっと諭したくなった。
何時の時も、見えなくなるのは結果であり、見ようとしなくなるのが工程である。
きっかけは貴方。
私は凍てついた鉄を溶かす仕草に酔う内に、其れに没頭する。
貴方は私に役割を与えてくれた。
そう、例えば其れが時の流れると供に溶け切ろうとも。
例えば其れが息吹かなくなる最期の時を迎えようとも。
私は仕草を止めようとはしなかったであろう。
やがて貴方は矛盾で私にこの距離を与え、去る事で教えてくれた。
貴方が云った凍てついた鉄とは、私の目線で測った場合の事だったのであろう、私にはそうとしか観えなかった。
貴方は全てを受け入れ、自らが鏡になり其れを映す。故に真実を手に入れる。
本当のところ、貴方の心の蔵は生身のままの姿をしている。
「さあもう笑って」
貴方は自由で在る。
- 貴方が冷たい鋼鉄で塗り固めた其れを覗き込む。