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    • 2015/5/7 4:03
    • みんな空の下②
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    • 肺の手術以降は手術をしてもらえなかった。
      セカンドオピニオン…どの病院に行っても門前払い。
      ガンによるリンパ浮腫。お腹に水が溜まっていった。

      「夏は越せない」と言われた。
      「死ぬのが怖いと言うより、死んで忘れられてしまうのが寂しい…」と哀しく微笑んだ。
      私は「お母さんほどインパクトの強い人、みんな忘れたくても忘れられないよ」と言った。
      母が「それもそうね」と答え、2人で爆笑した。

      天然な一面もある母がドジれば「今の抗がん剤の副作用だよね?」と私が突っ込み「もちろん♪当たり前じゃない」と何故かドヤ顔。
      ガンさえネタに笑いが絶えなかった。

      暑くても冷たい物が飲めない。
      抵抗力が弱まってるから、真夏日でも蚊に刺されないようにと長袖を着た。
      体温調節が難しく、平熱・微熱・高熱を繰り返した。
      それでも母は夏を越した。

      年末には母の誕生日がある。
      年越しを次なる目標にした矢先、主治医は「年を越すのは99%難しい」と言った。

      「効いていないっぽいから、やめて緩和ケアに移りましょう」と言う主治医に「諦めたくない!効いてないという確信が100%でないなら続けたい」と続行を志願した。
      右鎖骨の下には最終的な抗がん剤を投与するのに必要な金属プレートが埋め込まれたままだった。

      「その日までは生きなくちゃ!」と言っていた秋、弟の結婚式。
      嫁に二次会で着る振袖を用意し着付けてあげる為に、ひび割れて絆創膏だらけの指で半襟を付けたり徹夜で縫い物をした。

      「着物を着てあげたい」と、自らも着付けし、帯を巻いた。
      式が終わる頃、母が倒れそうになり、抱えて控え室へ運んだ。

      二次会、私が山形民謡の花笠音頭を唄い、母が配膳用のお盆を花笠に見立てて踊る。流石は元花笠娘。
      復活力と盛り上げ方の上手さに私たちは「流石はオカン」と口を揃えた(笑)
      私は正直、二人の祝福よりも『母が今まだ生きてる!しかも踊ってる!』という方に感動で涙してしまった。

      秋も深まると、冷え込む深夜・早朝。
      強い指先の痺れ、冷たい物が触れない。
      部屋の至るところのドアノブには布を巻き付け、玄関の鍵を開けるのにも鍵穴になかなか入らなかったり鍵を落としたり。
      脹れてゆくお腹とは逆に、やつれていく頬と痩せ細ってゆく肩や腕。
      それでもまだ、仕事もボランティアも行ってた。

      つづく

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