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- 2011/4/30 1:39
- 『みずたまり』第６話
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- 気がつけば、夢の中に堕ちていた。
霧深い森の中………
先輩と歩き、さ迷っていた。
水辺があり、そこに二人は躊躇いも無く足を踏み入れた。
心地よい水温。
耳まで浸かり、曇り空をぼんやり眺める。
私は生きているのだろうか……？
死んでいるのだろうか……？
水の流れと共に、景色が変わっていく。
枯れ木と雲間から差し込む日の光が、とてもまぶしくて、目を凝らすと、
次第に真っ白く埋め尽くしていった。
朝が来たのだと気付いた。
夢から覚めると、
彼が側にいて、指先だけ、微かに触れていた。
安らかな寝顔を壊さぬよう、
ブランケットを掛けてあげた。
“おはよう”の代わりに、
朝露の香りのような、アロマオイルを数滴垂らして、焚いた。
彼はうなされ始めた。
何か、言葉にならない事をつぶやいている。
私の名前を呼んでいるようにも聞こえる。
いや、私の名前を何度も呼んでいる。
どんな夢を見ているのだろう？
夢から覚めたら聞いてみようと思っていたのだが…
あまりに苦しそうにしていたので、
頬や、頭や、肩をそっと撫でて起こそうとした。
彼はゆっくり目を覚まして、私を見るなり、起き上がって、とても切ない顔をしていた。
「よかった………」
「うなされてたよ？……大丈夫…？」
「うん。……」
頭をぐしゃぐしゃしながら、彼は洗面所へ向かった。
10分、15分は経っただろうか？
彼は戻って来ない。
心配になって洗面所に行くと、
静かに、静かに、泣いていた。
何も見なかったように部屋へと戻り、フランス・ギャルのアルバムを流した。
窓辺のテーブルで、
普段は使われないもう一つの椅子に貴方を座らせて、
朝食をとった。
雨の滴が窓ガラスについてキラキラと光ってる。
さて……今日は何処へ行こうか……
【つづく】
9mm Parabellum Bulletの新曲「新しい光」のＭＶが公開されましたね
レボリューショナリーからの自然な繋がりを感じます
アルバムも早く予約しなくては
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- 気がつけば、夢の中に堕ちていた。
