ぼたんの部屋さんとモバ友になろう!
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- 2010/1/27 0:21
- 一番高い花
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- 僕が中学生だった頃ネエちゃんとカアちゃんと3人暮らしだった。
トオちゃんが死んでから貧乏になったけどカアちゃんは明るく振る舞っていた。カアちゃんはパート、ネエちゃんは学校が終わると週に5回はバイト。
僕はそんな2人の帰りを待っているだけだった。僕は塾や英会話学校を習っていた。ネエちゃんのバイト代から月謝を出してもらった。
そんな思いを幼い頃でも感じていた。
あるクリスマスの日、ネエちゃんとカアちゃんを驚かそうと自分ながらに思ってお金もないのに万引きをしてしまった。
カアちゃんにはスーパーの入口で売っている花を。ネエちゃんには女の子らしい靴下を…
12月24日プレゼントを渡した。カアちゃんとネエちゃんは喜んでくれると思ったらだ…
でも相手が上手だった。なぜならプレゼントした物は包装してなかったからだ。
カアちゃんとネエちゃんに追求されてバレてしまったのだ。
ネエちゃんは「返してこい」と。カアちゃんは「ありがとう、一緒に返しに行こう」と
僕はカアちゃんとスーパーへ行った。店の店長にカアちゃんは何度も謝った。店長「いえいえ、この花はもう要りませんから。どうぞ」と言って僕にくれた。
そして靴下の事を話すと代金を払い、別な靴下を僕に買ってくれたのだ。
帰り際にカアちゃんが「ごめんね、あんた達の靴下破れてたのに買うの遅くなって」「でも、もう万引きはしないでくれる?」と。
―あれから数年―
社会人になった時だった。カアちゃんがパート先で倒れた。過労のせいだった。お嫁さんに行っているネエちゃんには言わなかったが、約1ヵ月の入院になったのだ。
弱っているカアちゃんと2人になった時、こんな会話になった。
カアちゃん「覚えてる?」
俺「何を?」
カアちゃん「あんたの店で一番立派な花を万引きしたろ?」
俺「うん」
カアちゃん「カアちゃん今でもはっきり覚えてるよ」
そんな会話だった。
毎年クリスマスになるとこんな事を思い出す。
あの時より立派な花をカアちゃんに贈ります。
心のこもった立派な花を…
カアちゃん、ありがとう!
- 僕が中学生だった頃ネエちゃんとカアちゃんと3人暮らしだった。