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    • 2010/8/16 14:24
    • 晩夏弍。話せば落着の事。
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    • 暮れ方、暑さも少しは楽かと表へ出ると、日は翳り、風が存外に快い。
      西の空と山を見物しようと決めて、そのまま歩き始めた。

      小さな十字路の手前で、声高に話す子供の声が聞こえる。
      『俺も考えた末のことだ、今回はお前の胸に納めて呉れ』
      『お前の言う通りだろう、実は俺もそうするしかないと考えていた』
      などと喋っている。
      その口振りは、一端の男だった。

      木立の角を曲がると、小学校低学年と思しき少年が二人、真剣な顔で談じている。
      此方を見向きもせず、彼らの問題を解決することに一心の様子でいる。

      大人より志慮がありそうだと考えながら、二人の脇をすり抜けようとしたとき、一人の被っている帽子にふと気付いた。

      それは、中華帽のように縦割りに色分けされた派手な帽子だった。
      奇妙なことに、天辺からT字形のアンテナが生えている。
      その下に少年の生真面目な顔がある。

      アンテナは、小型レーダーのものかと思われる。
      ゆっくりと今にも回り出しそうで、目が離せなくなった。

      横目で二人の脇を過ぎ、話す声を後ろに聞きながら進み、直ぐの曲がり角で振り返ると、何故か彼らの姿がない。
      急ぎ駆け戻り、左右の道を確認したが、誰もいない。

      その道沿いに人家はない。
      日は疾うに落ちている。
      化かされたような心持ちで帰宅した。

      深夜に、待ち兼ねた電話が鳴った。
      『俺、という言い方が貴方と同じでした』と話すと、即座に答えが返った。
      貴方は少し笑っているようだった。

      『それはタケコプターだろう、上は見たのか?』

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