しょぱんさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2025/7/9 21:58
- ここの思い出
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- 15年ほど前のこと。僕はまだ高校生だった。
友達とうまくいってなかったわけじゃないのに、なぜか心が空っぽで、毎日がなんとなくつまらなかった。
夜になると理由もなく寂しくなって寝つけないことも多かった。
そんな僕にとって、モバゲーで誰かと話せる時間が、唯一心があたたまるひとときだった。
本音を話せる誰かがほしかった。だけど、それは顔を知っている誰かじゃなくて、素性を知らない相手のほうがよかったのだ。
そんなときに出会ったのが僕よりもずっと年上の30歳のお姉さんだった。
プロフィールを見たときは、正直「年上すぎるな」って思った。
でもメッセージのやりとりは不思議と心地よくて、「どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう」って、画面越しに何度も思った。
僕が彼女に惹かれていくのに、時間はかからなかった。
ある日、唐突に「ドライブ行く?」と誘われた。
ドキドキしながら「いいよ」って返した僕に
「知り合いに会ったら、お母さんって言わないでね。歳の離れたお姉ちゃんって言ってね!」って、冗談と自虐がまざったメッセージが返ってきた。
そのやりとりは、今でも妙に印象に残ってる。
休日の朝、コンビニ前で待ち合わせた。
目の前に小さな軽自動車がすっと止まり、運転席にはお姉さんの顔が見えた。
その瞬間、世界が少しだけ明るく見えた気がした。
僕は緊張しながら助手席に乗せてもらった。
あの日に流れていた音楽も、お姉さんの香水の匂いも、今でもふとした瞬間に思い出す。
「こういうところで知り合った人と会うの、初めて?」って聞かれて、
素直に「うん」って答えたら「かわいいね」って笑われた。
その笑顔が本気だったのか、からかっていたのか、当時の僕にはわからなかった。
地元はまずいからと他県のカラオケに行く予定だった。
でもその途中で寄った道の駅の駐車場で、
突然ぎゅっと腕を抱かれて言葉を失った僕に、お姉さんは「大丈夫だよ」と優しく囁き、顔を寄せてきた。
それが何を意味するかなんとなくわかった。
数日後、いつものようにメッセージを送ろうとしたら、お姉さんのページは消えていた。
「ありがとう」も何も言えないまますべてが終わってしまった。
そして、ふと気づけば僕はもうあのときのお姉さんとほとんど同じ年齢。
大人になった今考えれば、僕はただの都合のいい子どもだったのかもしれない。
それに気づいたとき胸がすこしだけざわついた。
- 15年ほど前のこと。僕はまだ高校生だった。