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- 2010/5/22 0:14
- か
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- 日光がガンガンと攻めてくる暑い日。
3-2で勝っている。九回一死満塁。一打逆転サヨナラだ。
右耳には「打てーっ!」という掛け声が、左耳には「落ち着いていけーっ!」という掛け声が聞こえる。
球数は150を越えていた。そろそろ体力的にも、肉体的にも参ってきていた。
なるぼどね…。おもしろい…。
一度タイムをかけてキャッチャーを呼んだ。
「あれで行く。三振二つだ。」
「……。わかった。」
バッターは、一打席目に打っている三番だ。
打つ、と強く思っているのがわかった。
だが、その思いを嘲笑うかのような投球。
結局、全くバットを振らないまま三振。いや、全く手が出なかったと言うべきだろう。
二死。
次は今日二塁打二本、本塁打一本を打っている四番だ。
山のようにがっしりした体で、ホームランを打たんとばかりにこちらをにらんでいる。
だがその自信もすぐに消え失せた。一球目、二球目と球にかすりもしなかった。というより、手が出なかった、といった方が正しいだろう。
なんだ、と投手を見た。すると不気味な笑みを浮かべて三球目を投じんと、セットに入っていた。
魔球。
ご存じだろうか。見たこともない、誰も当てることができない、文字通り魔の球である。
この投手はまさに魔球と呼ぶにふさわしい球を持っていたのだ。
にぃっと笑みを浮かべながらマウンドを降りる投手と、その場に崩れ落ちる四番の姿がうわーっという歓声に包まれた。球場内の全ての選手が唖然と立ち尽くしているのを残して…。
- 日光がガンガンと攻めてくる暑い日。