-
- 蚊と小判
- 関係:おしゃれ関係
- 彼との出会いもちょうど今日のような嵐の日だった。
その頃の私といえば、女や酒に溺れギャンブルに明け暮れる毎日で、生きる目的も見失しなっていた。
そんなある日、私に声を掛けてきた男がいたんだ。
彼は私にこう言った。
「君がいくら酒を飲みギャンブルに散財しようと、失う物はほんのわずかさ。しかし今の君に得ることができる物はどれだけあるかね?君は失い続けるのかね?」
ショックだったさ。あまりの自分の矮小さに涙が止まらなかったよ。
だが今は違う。こうして緑の芝生の上でビールを飲むことができる。昔の暗い酒場で飲むビールと比べ格段美味いビールさ。それに犬だっている。
彼には感謝している。
おっと!忘れていたが、蚊と小判は昔の飲み仲間だ。