のりマスターさんとモバ友になろう!
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- 2010/3/29 21:56
- でたらめのキス
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いつも帰り際、彼女は僕を抱き締めて、こう言う。
「ノリさんとは無いなぁ」
なら抱き締めないで。
いつもそう思う。
彼女はとても背が高く、
彼女の真っ白な肌に、浮かび上がる様な真っ赤な唇が、
僕は好きだった。
お互い恋をしていた時期があった。
お互い波が激しい上に周期が短く、彼女が盛り上がる度に僕には別の彼女が居たし、
僕が盛り上がる時には彼女は冷めていた。
男女の関係になる事は無かった。
一度だけ彼女が求めた事があった。
しかしその日は、二度と会えない大切な女性を見送る日だった。
僕は応えなかった。
「私、泣いたんだよ?何度も」
「ならそう言ってよ」
それから長い時間、僕達の距離は縮まらなかった。
これからも無いだろう。
そして何度も繰り返す
いつわりの抱擁と
でたらめのキス
そして甘くて苦い感情だけが残った。