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- 2015/4/25 23:34
- 【八犬伝を発見伝
犬塚信乃編】71
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どんな用だろうな、お亀]
陣代役所からといえば、妙にびくびくものの蟇六である。
[いやだよ、この人は。そんなにびくびくしないで、とにかく会ってごらんな。この間は、陣代さま、あんなによろこんで帰ったんだもの、悪いことじゃないと思うよ]
[そうかな、大丈夫かな。おれは陣代さまはどうも虫が好かねえ]
書院へ案内させておいて、いそいで羽織袴にあらため、おそるおそるまかり出てみると、
[やあ、これは村長どのか。先夜は心をこめての御歓待、陣代さまもな、よろしく伝えてくれと、たいそうなごきげんであった]
いとも丁重な五倍二のあいさつぶりである。
[へえ、なんともはや、行きとどかないことだらけでございまして
]
[なんのなんの。ところで、今日はそれがしまことにめでたい使者にてまいりました]
[へえ…?]
[と申すのは、陣代簸上宮六殿は、先夜、御息女浜路どのを一目見てから、どうも強い御執着で]
[へえ…!?]
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