長太固強♂さんの日記

更新する

- 2009/5/19 0:12
- 友の死
- コメント(3)
- 閲覧(72)
- 大学の同期だったHの母から電話があった。『あんた､元気にしてんの？たまには連絡いれよ』『おばちゃんも元気っスか？』『あんたが連絡くれんから元気ないわ』と､おばちゃんも元気そうだ。よかった。毎年2月12日になると京都のHの家に大学の空手部の同期とHの友達が集まる。ここ2年位､仕事が忙しく行けてないが…。俺とHは大学の空手部の同期生だった。Hは1回生の時からやんちゃで､よく一緒に飲みに行ったが､ほとんど必ず喧嘩になる。もちろん他人様とだ。そんな調子だからHが『飲みに行こう！』と言うと皆は敬遠した。俺も毎回､毎回､喧嘩になるから『喧嘩せーへんのやったら一緒に行ってやる』と言って行ったが､やっぱり喧嘩を仕掛けてしまう。まるでなにかにとりつかれたように。『おまえは､いつか誰かに刺されて死ぬわ』とHに冗談でよく言ったものだったが､まさかそれが本当の事になってしまうとは…その日もHが俺に『長太､飲み行くで！』と言ってきたのだが俺は『バイトあるからあかんわ！』と嘘をついて断った。また喧嘩で面倒になるのが嫌だったから…『そんならしゃーないなまた行こけ』と言って柔道部の奴らと飲みに行った。夜中の2時に柔道部の後輩から電話がかかってきた『長太さんHさんがやられました。○○病院にすぐ来てください！』いやな予感がした…状況も聞かず慌てて駆け付けた『どんな？大丈夫なんか？』『意識不明だそうです』一緒に飲みに行ってた後輩が泣きながら言う。飲み屋でﾁﾝﾋﾟﾗ風の奴の女にちょっかい出して店を出る時､後ろから刺されたらしい｡俺のせいだ｡俺が一緒に行ってたら絶対止めてた｡Hは刺される事はなかった。そう思うとあの時､嘘をついて断った自分を責めた。やりきれなかった。それから2週間意識不明の昏睡状態が続いた。結局､意識は戻らず Hは死んだ。なぜだかわからんのだが､今でもおばちゃんはこんな俺を､まるで自分の息子のように心配してくれる。10年前､ｵﾔｼﾞが1億5千万の借金を作り､会社も赤字続きの状態で引き継いだ俺は倒産を覚悟していた。それを､どこで聞いたのか､京都からわざわざ来てくれて『あんたに貸したげる返すんはいつでもええよ』おばちゃんはそう言った。こんなバカにそんな大金を。涙と鼻水で言葉にならなかったが､丁寧に断った。もう一度やってみよう｡そう思った。おばちゃん！あの時､あなたが言ってくれたお陰で俺は立ち直る事が出来ました。来年は必ず行きます