速水武さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2018/8/20 12:24
- 史記 刺客伝
-
- コメント(0)
- 閲覧(1)
-
-
- 壮士一たび去りて復た還らず是に於いて太子予め天下の利なるとヒ首を求めて、趙人徐夫人のヒ首を得、之を百金に取る。工をして薬を以つて之を火卒がしめ、以つて人に試みるに、血縷を濡せば、人立ちどころに死せざる者無し。乃ち装して為に荊卿を遣はさんとす。燕国に勇士秦舞陽なるもの有り。年十三にして人を殺し、人敢へて忤視せず。乃ち秦舞陽をして副と為さしむ。荊軻待つ所有り、与に倶せんと欲す。其の人遠きに居りて未だ来たらず。而るに行を治むるを為す。之を頃くするも、未だ発せず。太子之を遅しとし、其の改悔せしを疑ふ。乃ちまた請ひて曰はく、「日已に尽く。荊卿豈に意有りや。丹請ふ、先づ秦舞陽を遣はすを得んと。」荊軻怒り、太子を叱して曰はく、「何ぞ太子の遣はすや。往きて返らざる者は豎子なり。且つ一ヒ首を提げて、不測の強秦に入る。僕の留まる所以の者は、吾が客を待ちて与に倶せんとすればなり。今太子之を遅しとす。請ふ、辞決せんと。」遂に発す。太子及び賓客の其の事を知る者、皆白き衣冠して以つて之を送り、易水の上に至る。既に祖して道を取る。高漸離筑を撃ち、荊軻和して歌ひ、変徴の声を為す。士皆涙を垂れて涕泣す。又前みて歌を為りて曰はく、「風蕭蕭として易水寒し、壮士一たび去りて復た還らずと。」復た羽声を為して?慨す。士皆目を瞋らし、髪尽く上がりて冠を指す。是に於いて荊軻車に就きて去る。終に已に顧みず。