†黒麒麟†さんとモバ友になろう!
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- 2011/3/20 0:09
- 涙の理由
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- もう数週間前になる。会社の帰宅中、車のテレビを点けるとニュース番組の特集が始まるところだった。
パレスチナ自治区とイスラエルとの抗争は有名だ。その抗争に一人の少年が犠牲になった。非武装の少年をイスラエル兵士は潜伏していた抵抗軍の兵と間違え発砲。少年は頭を撃たれ脳死と判定された…。
少年の父親は悲しみに打ちのめされる中、病院の医師に選択を迫られた。脳死と判定された息子の臓器移植を承諾するか否か。もし承諾すれば、自分の子供を撃った敵の国の子供に移植されるかもしれない。いやむしろ、その確率の方が高かった。
その番組の(…名前は忘れてしまったが)取材班はパレスチナへと向かった。その父親が出した答えに納得がいかなかったからだ。その真相を知るべく飛行機に乗ったのだ。
父親は息子の臓器提供を承諾したのだ。取材した男性は父親に会いに行く間
「私が同じ立場なら絶対にそんなことはしない。ましてや愛する息子の臓器が命を奪った国の子供に渡ってしまうなんて…」
と呟いた。
父親と会うことができた取材班は理由を聞いた。
「なぜ?どうして…?」
父親は静かに答えた。
「命を救うのに国境や人種の壁があってはならない。あなたは溺れている人に宗派を聞きますか?」と…。
取材した日、その日はちょうど少年の臓器提供によって救われたイスラエルの少女に父親が会いに行く日でもあった。少女は少年の父親を見つけるなり抱きついて来た。少女の顔には眩しい笑顔がこぼれていた。
その光景を見た取材班の男性が
「まるで父娘のようですね!」と言うと
「私のもう一人のお父さんです」と少女が笑った…。
父親はそんな少女を見つめながら
「この子を見ていると息子を見ているのと同じ気持ちになります」と、優しく少女を抱きしめた………。
2、30分のその特集を観終えると涙が次から次へと溢れ出た。一人、車の中でボロボロ泣いていた。
ただ単に人間愛とか単語で片付けられるモノではない涙の理由がその映像にはあった。
- もう数週間前になる。会社の帰宅中、車のテレビを点けるとニュース番組の特集が始まるところだった。