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- 2022/3/23 21:29
- 『せかいのいじんでん』
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- パン太郎は『ダパンダ幼稚園』に通う、パンダとしては大変美しい顔立ちの５歳のオスパンダです。
ダパンダ幼稚園では今、『ダーパンカード』というキャラクターカードが大ブームとなっています。
パン太郎は他の誰よりも沢山のレアなカードを持っていたので、周りの園児からは尊敬の眼差しで見られていました。
メスの園児達からもモテモテです。
さらにはカード交換を通じてどんな高価な物でも手に入るほど、物品にも満ち足りていました。
そんなパン太郎はある日、ふと
「あれ？もしか俺って超イケてね～？」
と思いましたが、ただの『自己満』かもしれないので、『確証』を得るため他の園児達にも聞いてみる事にしました。
すると
「パン太郎さんマジやべ～ッス。」
「パン太郎さん超イケてるッス。」
「パン太郎さんうちと結婚して～。」
などといった『高評価』で溢れ返りました。
こうして周りからも認められ『確証』を得たパン太郎は、いよいよ
「これは『自己満』などではなく、世界の真理として俺はイケてるんだ。」
と、思う様になりました。
以降パン太郎は『ダパンダ幼稚園』のカリスマとなって行ったのです。
しばらくして園内宗教『ダパンダ教』を立ち上げ、教祖にもなりました。
また一部からは
「彼こそ我が王だ。」
と、熱狂的な支持を受け、園内国『ダパンダ王国』の始皇帝になりました。
さらには
「彼の美しさは尋常じゃない。彼こそ真のアイドルだ。」
という沢山の声援に後押しされ、園内アイドルユニット『DPD48』の初代センターとして園内デビューしました。
それだけではありません。
園内運動会『ダパンダオリンピック』を主催し、史上初の全種目制覇を成し遂げ、全種目で金メダリストになりました。
まさに『ダパンダ園史』に名を深く刻まれるほどの大偉人となったのです。
そして２年の月日が流れ、パン太郎は
「我が『ダパンダ人生』に一片の悔い無し！」
と、自らの類まれな覇業に打ち震えながら、『ダパンダ幼稚園』を卒園したのでした。
一方で、その卒園式会場では、パン太郎の姿を微笑ましく見守りながら
「結局まだ『外のパンダ社会』も何も知らず、園内だけの『自己満』でしかないのに大袈裟な子ね。」
と、『外のパンダ社会』しか知らずに『自己満』だけで生きている保護者達は顔を見合わせながら笑うのでした。
人生とは迷宮だす。
- パン太郎は『ダパンダ幼稚園』に通う、パンダとしては大変美しい顔立ちの５歳のオスパンダです。
