神栩レフィさんとモバ友になろう!
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- 2016/7/24 23:27
- 愛すること、⑤
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- 『失ってから気づいた、なんて聞き飽きた』
と、誰かが言ってたけど
失ってから気づくものなんて
実際は二人の間でしか分からない。
二人の間で交わされていたこと。
何もかも純粋体験だから
自分の愚かさを後悔し続けるしかない
あの子は私が泣いている時には
とっても心配してくれた。
涙をなめてくれたり
自分の背中を押し当ててきたり
黙って側に寄り添って
尻尾でとんとん撫でてくれたり。
年齢によってさまざまな行動で
私の側にいてくれた。
あの子がなくなって
いつまでも泣き止まない私に
周りは『りじぇが辛いだろうから』
泣き止むように促す。
あの子のおでこにキスすると
あの子も私のおでこにあま噛みをする。
真似をして応えてくれる。大切な存在だった。
私はあの子にとって
どういう存在だったのだろうか。
妹が帰る前夜
夜中にルエちゃんがそわそわして
廊下をうろうろしていたとき
階段の下から『ニャー』と聞こえたらしい。
ルエちゃんも階段の方をずっと見ていた
けど、リジェの声ではなかったとか。
妹が帰って、両親の寝室で寝るようになって
二日目だっただろうか、
りじぇを埋葬してからちょうど
三日目だったと思う
不思議な体験をした。
夜中にふと、近くで
『ニャー』
というあの子ではない別の猫の鳴き声が
聞こえて目が覚めた。
(時計は見てなかったけど…)
すると、
すぐにベットの下の方で
りじぇの走る足音と鈴の音がし、
とん、とベットに乗ってきた。
胸の辺りまで小さな あんよで
歩いてくる、重みも、音も、
愛しい愛しい
間違いなく、りじぇだった。
いつも通りの感覚に安堵して
目を開けると
胸元でゆっくりこうばこ座りを
し始めたりじぇが
私をずっと見つめていた。
あぁ、良かった。
やっぱりあの子が亡くなるなんて夢だったんだ。
安心して、瞼を閉じる。
でも、すぐに思い出した。
涙と雨と土にまみれながら
みんなであの子を埋葬した日のこと。
ごめんね、と心で伝えた。
「じゃあ私の上にいるこの子は誰なのか」
ごめんね、と伝えた途端
急に怖くなった。
とりあえず怖くなるとプラス思考になる私は
お礼を心で必死に伝え始めた。
そっと目を開けると
胸の上には何もおらず、
両親の部屋のいつも通りの
乱雑なメモ書きの壁だけが見えた。
あぁ、あんなに現実に見えたのに
幻だったのか。
これが、俗に言う
白昼夢というものなのか
- 『失ってから気づいた、なんて聞き飽きた』