まだらきりんさんとモバ友になろう!
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- 2011/12/19 14:04
- 泣いた赤鬼
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- 山の中に、一人の赤鬼が住んでいました。
赤鬼は人間たちとも仲良くしたいと考えて、自分の家の前に
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心のやさしい鬼のうちです
どなたでもおいでください
おいしいお菓子がございます
お茶も沸かしてございます
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と書いた立て札を立てました。
けれども、人間は疑って、誰一人遊びにきませんでした。
赤鬼は悲しみ、信用してもらえないことをくやしがり、しまいには腹を立てて、立て札を引き抜いてしまいました。
そこへ、友達の青鬼が訪ねて来ました。
青鬼は、わけを聞いて、赤鬼のために次のようなことを考えてやりました。
青鬼が人間の村へ出かけて大暴れをする→そこへ赤鬼が出てきて、青鬼をこらしめる
そうすれば、人間たちにも、赤鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう、と言うのでした。
しかし、それでは青鬼にすまない、としぶる赤鬼を、青鬼は無理やり引っ張って、村へ出かけて行きました。
――計画は成功して、村の人たちは、安心して赤鬼のところへ遊びにくるようになりました。
毎日、毎日、村から山へ、三人、五人と連れ立って、出かけて来ました。
こうして、赤鬼には人間の友達ができました。赤鬼は、とても喜びました。
しかし、日がたつにつれ、気になってくることがありました。
それは、あの日から訪ねて来なくなった青鬼のことでした。
ある日、赤鬼は青鬼の家を訪ねてみました。
青鬼の家は、戸がかたく閉まっていました。
ふと気がつくと、戸のわきには貼り紙がしてありました。
そして、それに何か字が書かれていました。
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赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。
もしぼくがこのまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。
それで、ぼくは旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。
さようなら
体を大事にしてください。
どこまでも君の友達 青鬼
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赤鬼は、だまって、それを読みました。
二度も三度も読みました。
戸に手をかけて顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣きました。
- 山の中に、一人の赤鬼が住んでいました。