宵闇 零さんとモバ友になろう!
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- 2014/11/19 21:50
- 【小説】或る晩秋の帰り路【零崎】
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「夜って嫌いだなー…」
吉良和夏は、暗い空を見上げながら呟いた。
秋の陽は釣瓶落とし。
5時も過ぎれば、辺りは真っ暗である。
「そう?私は好きだけど。夜って」
彼女の隣りを歩く宵闇零は、コートの袷を直しながら言った。
「にしても珍しいね、和夏がこんな時間まで学校に残ってるなんて」
「たまたまですよ、た、ま、た、ま。しかもいま学校の回りで不審者が出るからって、わざわざ零さんの迎えなんか頼む学校も学校ですよ。」
「仕方ないよ。学校から迎えに来て下さいって頼まれちゃったら、保護者としては断れないでしょ」
零はフッと笑った。
2人は大通りから路地へと道を曲がる。
「ここなんか、防犯灯少なくて危ないですよね。…あー暗いの嫌い。オバケとかチカンとか出てきたら!!」
和夏はうんざりした表情を浮かべた。
「和夏、オバケなんていないよ。」
「出た、零さんの科学至上主義な持論!」
「悪かったな。…でも、痴漢は出る可能性あるかもね。」
「はぁ…ですよね」
「でも」
零は赤い光の消えた空を見上げた。
「私は夜は好きだな。全てを日の下から覆い隠して、安らかな休息に導いてくれる。…確かにそういう怖いものも夜に隠れて狂気を見せるけれど、夜に悪気はなくて、あるとしたら夜を悪用する人間側に悪意があるぐらいでしょう?」
「随分また哲学的なことを」
「そうかな?」
「私は夜は嫌いですよ、零さん。…そうやって日の下から隠れたい人には絶好かもしれないけど、見付けたい人まで隠しちゃうじゃないですか。そんなの、寂しいですよ…」
「うん、…そっか。」
「あ、また私のこと子ども扱いした。」
「だって子供でしょう?」
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やまなし、おちなし、いみなし。
最近なんか文章書けなくなってきたんで、適当に。