アルベルト・アスカリさんとモバ友になろう!
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- 2011/5/10 22:49
- 思わず笑った話
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- 縦書きを横書きにするからニュアンスが変わるかもしれないけど、その点は察してくれると嬉しい。
(以下引用)
ある姫君、殿のもとへおはすべきにてありけるを、乳母教へけるは、「やさしく尋常なることをば、ものの姫君なんどのやうにとこそ申せ。何となきことのみ、御口がましき御癖のおはしますことの然るべからず覚え候ふに、殿の聞かせ給はむ時、いたくものな仰せられ候ひそ。あはれ、この御前の、もの仰せられよかし、聞かむなんど思しめす時、ものは仰せ候へよ。春の鶯の、籬の竹におとづれむを聞かむやうに、めづらしき御ことにて候へよ」と教へ申しければ、「我は、乳母よりさきに心得たるぞ。何しにさかしく教ふる」とのたまへば、「御心得だに候はゞ、それこそ心安く思ひ参らせ候へ」とぞ言ひける。さて、殿のもとへおはして後、二三日はつやつやものものたまはず。これもあまりなりと思ひける程に、殿と並びてもの召しけるに、世によき酸茎のありけるを、なほ欲しく思はれけるにや、膝を立て肩をすべ、羽づくろひするやうにして頚をのべ、声をつくりて「酸茎、くはう」と二声、鶯の鳴く声色にてのたまひける。乳母、あまりに心憂くあさましく覚えて、また言はせじとて「やがて参らせむ」と言ひけるが、遅かりければ、「きときときと」とぞ言ひける。まことに興覚めて、殿も思はれける。
- 縦書きを横書きにするからニュアンスが変わるかもしれないけど、その点は察してくれると嬉しい。