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- 2018/1/30 23:33
- 乙姫 祠の十七
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全身が銀白色に輝き、頭には赤いたてがみの様な長い背ビレ。
そしてその背ビレは、そのまま尾まで繋がっていて、泳ぐ度に赤い旋律を刻みながらユラユラと揺れている。
そして胸ビレも背ビレ同様に、長くて赤いヒレが下に伸びている。
良く見ると、銀白色が少し青みがかっていたり、薄っすらと縞があったり、また黒い斑点があったりと、それぞれが少しずつ異なっている。
頭部は数色の色が混ざり虹色の様にも見える。
泳ぐ姿は優雅でもあり、雅でもあり、正に神秘的な海の神その者であった。
そして何よりも甲を驚かせたのがその大きさである。
甲の大きさを遥かにしのぎ、息子達は、悠に三~四間はあった。
(一間は 約1.8m)
「さぁ あなた達、もうよろしくてよ。
こちらにお戻りなさい。」
乙の言葉に若者達は門をくぐり、竜宮へと戻って来た。
「お前達は 何と優雅で美しい姿なんだ。
とても ワシの子供らとは思えんわ。」
そう言って、甲は驚いている。
「甲様、何をおっしゃいます。
紛れも無く、甲様と私の子達に御座います。
私の腹の中では無く、時間をかけて四季の間にて孵化したのが、理由かと存じます。」
「しかし この子らは、ウツボとは違う様な?。」
「はい、この子達が 漁船の周りを泳ぎますと、漁師達は リュウグウノツカイ と呼ぶそうです。」
「成る程、正に リュウグウノツカイじゃ。」
「この子らが竜宮の主人なら、何も心配する事無く、これからの祠のお勤めに臨めます。
それにここには、亀爺様をはじめ巌殿もいらっしゃいますから、安心してお任せできます。」
乙はそう言って、安堵の表情を浮かべた。
....続く
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