ハゲ夫さんとモバ友になろう!
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- 2017/8/16 14:34
- お盆の日記
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- 八月十三日
今日から盆休みである。しかしながら、もう夏休みも半分が終わろうとしている。宿題などやっていない。去年は夏休み明けの登校日の暁時、暁闇の中に伸びる灯台の光芒に目をやりつつ、夏休み明けにも関わらず宿題に一切手をつけていないと言うその状況を、ある種の英雄的感覚と逆説的達成感をもって噛み締めていた覚えがある。
この夏は、祖母の家にいる。家を辞して月の両回円なるを、と岑參の詩の一節が頭を過る。もう二週間近く経ってしまったのだと思うと寂寥の念を禁じ得ない。涙が滴る。机に滴り、島のようになった。この島を於能碁呂島と名付けた。
しかし、時間というのは、戻ってはこないものだ。掴んだと思ったらすり抜けて、暗渠の中へと流れていってしまう。切り取れば、たちまち瓦解し、時間ではなくなってしまう、内包的なもののように思う。根拠はない。こう思っていても致し方がない。学びて思はざれば則ち罔し、思ひて学ばざれば則ち殆し。昔の偉い人も言っていた。なので、いたずらに思いを馳せるのはやめておこう。
長野県から北海道にまで来るとは、誰が北海道まで来ると予想しただろうか。二千里の外、故人の心。白居易よろしく親友が訪ねて来ることなどはなく、徒に毎日を過ごしている。閑適、ということばが適切だ。
しかしながら、勉強というものに手をつける気にもならず、こうして思索に耽っている。忸怩たる思いなど、気の抜けた温い炭酸水のごとき毎日のなかに韜晦されてしまった。
いっそのこと、そこら辺で女衒でも見つけて安く遊女でも買おうか、などと現実味のない妄想を抱いたが、我に帰った。
仕方がないので読書感想文でも書きたい。プロスペル・メリメの『カルメン』でも読もうと思う。
- 八月十三日