月雲守さんとモバ友になろう！
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- 2015/8/8 15:16
- 昔のブログの話
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- 旅先のとある宿で通されたのは、陰気で黴臭いなんとも言えない不快な部屋…
｢別の部屋に移りたい｣
髪に白髪が混じった古株そうな仲居さんに訴えたが、その日に限って満室…
仕方なくそのままその部屋に泊まる事にした…
風呂に入り食事を終える…
相変わらず部屋には陰気な気配がする…
起きていても落ち着かないので、眠くはないのに早々に布団に潜り込んだ…
昼の疲れからか布団に入るとすぐに眠りについた様だ…
どれくらい寝たのか定かではないが、真夜中に寝苦しさを感じる…
ひとまず起きて水でも飲もうかと思ったが、誰もいない部屋の隅に何か嫌な気配が…
脂汗がだらだら流れた…
手足が動かせない…
恐る恐る薄目を開けると部屋の隅に立っていたのは、長い髪の毛(茶髪の縦巻ロール)の頭から２本の角が生え、目は垂れ下がり口はおちょぼ口の……
…角が有るからたぶん鬼女だと思う
鬼女(仮)はただじっと私を見つめている…
…少し寄り目で口はアホみたいに半開きだ
相変わらず手足は動かせず、声を出すこともかなわなかった…
ほんの数秒間だったのか、それとも数分間だったのか判らないが、ひどく長い時間に感じた…
すると鬼女(仮)が部屋の隅から私の枕元にスーっと近づいて…
ドテッ
鬼女(仮)が着物の裾に足を取られつまづいて、顔から豪快に転んだ…
…と同時に金縛りが解けた
鬼女(仮)は目に涙を溜めながら、転んで打った鼻をさすっていた…
…普通、金縛りが解けたら、こいつ(鬼女(仮))も消えんとアカンやろ
…と思い、思わず私はツッコミを入れた
『っていうか普通、俺の金縛りが解け…』
フッ…と鬼女(仮)の姿は消えて無くなった…
『…た時点で、お前も消えんとアカンやろ…』
…中途半端になったツッコミが酷く虚しかった
- 旅先のとある宿で通されたのは、陰気で黴臭いなんとも言えない不快な部屋…
