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    • 2010/5/8 18:53
    • 野球、ごめんね
    • コメント(3)
    • 閲覧(70)
  • "アバター"
    • 幼い頃に
      父が亡くなり、



      母は再婚もせずに
      俺を育ててくれた。






      学もなく、
      技術もなかった母は、



      個人商店の
      手伝いみたいな仕事で



      生計を立てていた。






      それでも当時
      住んでいた土地は



      まだ人情が
      残っていたので



      何とか母子二人で
      素質に暮らしていけた。






      娯楽をする
      余裕なんてなく



      日曜日は
      母の手作り弁当を持って



      近所の河原とかに
      遊びに行っていた。






      給料をもらった
      次の日曜日には



      クリームパンと
      コーラを買ってくれた。






      ある日
      母の勤め先から



      プロ野球のチケットを
      二枚もらってきた






      俺は生まれて初めての
      プロ野球観戦に興奮し



      母はいつもより
      少しだけ豪華な
      弁当を作ってくれた。






      野球場に着き



      チケットを見せて
      入ろうとすると



      係員に止められた。






      母がもらったのは
      招待券ではなく



      優待券だった。






      チケット売り場で
      1人1000円ずつ払って



      チケットを買わなければ
      いけないと言われた。






      帰りの電車賃くらいしか
      持っていなかった俺たちは



      外のベンチで
      弁当を食べて帰った。






      電車の中で
      無言の母に

      「楽しかったよ」
      と言ったら






      母は
      「母ちゃん
      バカでごめんね」



      と言って
      涙を少しこぼした。






      俺は母に
      つらい思いをさせた



      貧乏と無学が
      とことん嫌になって



      一生懸命に勉強した。






      新聞奨学生として
      大学まで進み、



      いっぱしの
      社会人になった。






      母も喜んでくれた。






      そんな母が
      去年の暮れに亡くなった。






      死ぬ前に
      一度だけ目を覚まし



      思い出したように

      「野球、ごめんね」
      と言った。






      俺は
      「楽しかったよ」
      と言おうとしたが、



      最後まで
      声にならなかった。






      END

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