ひろたん♭さんとモバ友になろう!
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- 2012/12/7 16:02
- リアル赤鼻のトナカイ~第2話~
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- 街を白く彩る粉雪は
夜が更けるにつれて大粒の牡丹のように華やかな姿に変わる
雪の降り積もった街は、普段とは違う静けさに包まれる
雪に吸い込まれるかのように
日常の喧騒がまるで昼間の夢だったかのような錯覚にさえ陥る
人の声も
薪を割る音も
馬車を引く音も
あって当たり前の生活の音も聞こえない
そして
傷つき助けを求める心の声も
深く積もった雪に阻まれ
誰の耳にも届かない
赤鼻トナカイと田中トナカイの出逢いは
今から13年前に遡る
当時
赤鼻トナカイ 3歳
田中トナカイ 6歳
幼少期から周りと違う赤い鼻のせいでイジメにあっていた赤鼻トナカイの家の隣に引っ越してきたのが田中トナカイ家族であった
その時の田中トナカイ家族は
お世辞にも裕福な家庭ではなかった
田中トナカイは、貧しさを理由に学校でイジメにあったりはしていなかったが
それでも周りの同級生に対して少なからず劣等感を感じていた
劣等感に悩み続けていた田中トナカイ
実はその悩みを消し
希望を持つことの素晴らしさに気づかせてくれたのが
他ならぬ赤鼻トナカイだった
(´Å`)
「こんにちはー…隣に越してきた田中と申しますけどもー……」
「…………」
田中(´Å`)
「留守なのかな……」
田中(´Å`)
(やっぱ貧乏な家族が引っ越してきたって思われるのかな……)
田中(´Å`)
(……挨拶だけなのに気が重いよ……)
赤鼻(’Å’)
「……あの……」
田中(´Å`)!
「あっ…すみません…私は隣に引っ越してきた……」
田中(´Å`)!!
(……なんだこいつ……!?)
田中(´Å`)
(…鼻が赤いぞ…?変なヤツだな…)
赤鼻(’Å’)
『……あの……?』
田中(´Å`)
「あぁ!すみません!引っ越してきて今日からお隣りさんになります!よろしくっ!」
タタタタッ……
赤鼻(’Å’)
「行っちゃった……」
赤鼻(’Å’)
「まだ僕の自己紹介もしてなかったのに………」
赤鼻(’Å’)
「やっぱこの赤鼻にびっくりしたのかな………」
赤鼻(’Å’)
「…………………」
赤鼻(’Å’)
『仕方ないか………』
お互いの第一印象は決して良いものではなかった
だがこの出逢いが
二人の運命の歯車を大きく動かすことになるとは
この時は誰も知らなかった
- 街を白く彩る粉雪は