通りすがり猫さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2009/10/5 21:57
- 妄想のお話
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- 少年マルスは一人が好きだ。
お爺さんが畑を耕していても手伝わない。
今日の遊び相手はおんぶバッタ。
「ねぇ、なんでそんなに仲良さそうなの?二人でいると楽しいかい?僕はお爺さんと過ごすより一人が好きなんだ。」
おんぶバッタは答えない。
「僕が間違っているのかい?みんなは一人は寂しいって言うんだ。でも僕にはわからないんだ。」
おんぶバッタは答えない。どこかへ行ってしまった。
マルスは鼻歌を歌いながら帰った。そろそろお爺さんが夕飯を作っているはずだ。
マルスはただいまを言わない。だって家に帰るのは当然だと思うから。お爺さんも当然家にいる。
だけど今日はお爺さんはいなかった。マルスは夕飯の心配をした。お爺さんがいなくて困るのは食事だ。
だけどお爺さんは帰ってこない。1日経っても2日経っても。
マルスは落ち着かない。だけどマルスには理由がわからない。一人が普通だと思っていたから。
お爺さんは見つかった。用水路で冷たくなって。村の人達はお爺さんを埋葬した。マルスには伝えずに。マルスが悲しんでいないと思ったから。
それからマルスは物足りなかった。寂しいとかではなく物足りなかった。
だけどマルスは気づかない。それが孤独だと。
だからマルスは今日も一人。だけど猫と仲良くなった。ただいまも言うようになった。誰もいないけれど。
それでもマルスは一人が好きだと言い続けた。
- 少年マルスは一人が好きだ。