やんやん坊☆さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2009/3/8 2:13
- short novelist。
-
- コメント(0)
- 閲覧(7)
-
-
「ちょっと待って!何か思い浮かびそうだから。」
そう言って古びた机の引き出しに手をかけて。まだ真新しいままのノートを引きずり出す。中には4色ボールペンが一本挟まっている。いつものことだった。
虚ろな目をした彼女を横目に見て、忙しく真っ白な紙の上に黒い線を走らせていく。
いつもそうだ。優先順位を上手く付けられないことが大の得意になって、いつも無邪気に思考回路を爆発させる。
今が当たり前となってからすでに4ヶ月が過ぎるんだ。コレから来る未来だなんて想像して、立ち止まっている時間なんて僕にはなかった。考えられなかったんだ。
車を買うなら外車がいい。いつも僕の右側に空白は許されない。だって私は左利きだもの。
そんな君だって左側に立たれることをいつも嫌っている。だって僕も左利きだもの。
穏やかに、激しく時計の針は動いていく。握りしめるボールペンと同じ速度で。同じ色で。
黒く薄化粧を重ねたおろしたての命に息が掛かった瞬間を彼女は見逃さない。
いつもそうだ。いつだってそう。
思い立ってペンを西から東へ走らせれば、そこにはキミの笑う顔。
与えられた目的地は既に決まっていて。いつも決まっていて。いつか来るサヨナラと出会うために僕は今日も左手を走らせる。
.