ユーリ♪☆さんとモバ友になろう!
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- 2007/1/2 15:52
- 『AKIHO-明歩-②』
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- 翌朝、尋斗が起きると女はまだ夢の中にいるらしく微かな寝息が背後でしていた。勿論、尋斗の布団は女が占領中だ。
尋斗が起こすのを躊躇いながらバイトに行く準備をしていると、ようやく女が目を覚ました。
「あんた誰?」
どうやら昨夜の事を覚えていないようだ。尋斗はここに泊まっていることのいきさつを事細かに説明した。
「あははは!昨日のギター男かぁ。アリガト。アタシ明歩っていうんだ。ヨロシクね」
明歩は少し思いだしたかのようにそう言って笑ったが、尋斗は呆気に取られて、返事が出来なかった。
明歩はそれだけ言うと飲みかけていたウイスキーをまだ朝だというのに飲みだした。
「お風呂入りますか?」
尋斗は明歩が少々汚れているのが気になり、風呂を薦めた。
「風呂ぉ?エッチしたいの?」
「えっ!」
尋斗は明歩の返事に目を丸くして、拍子抜けしたような声をあげた。
「アタシとセックスしてぇのかって聞いてるの」
明歩は強い口調で言いながら、尋斗に詰め寄った。 アルコールの臭いがきつい。二日酔いというか、まだ酔っ払い状態だ。
「そ、そうじゃなくて、体も髪も洗った方がいいかなって思って……」
尋斗は声を震わせながら答えた。
「あっ、そう。じゃ、遠慮なく使わせてもらうよ」
明歩は、言い終わらないうちに服を脱いで浴室に入った。
「着替えは?」
明歩が浴室から顔だけ出して、さも当たり前であるかのように尋斗に聞いた。 尋斗は自分のジャージを着替えに渡してやった。
「気持ち良かったよ。アリガト」
明歩はドライヤーで髪を乾かしながら、そう言って胡座をかいた。
「僕、これからバイトなんですけど、明歩はどうするの?」
「アタシは……これから……ヨロシクね、ギター男」 明歩は返事に一瞬戸惑ったようだったが、そう言って笑顔でVサインを尋斗に向けた。
「えっ、どういうこと?」 尋斗は明歩の言葉が理解出来ずに聞き返した。
「何度も同じ事言わさないでくれる。苛々するんだよ!あんたん家にこれから住むって言ってんだろうが!」
明歩はさっきの笑顔から一転して、尋斗を睨み付けると、そう言い放った。
「あっ、はい」
「分かればいいんだよ。今度同じ事したら殴り倒すからな」
尋斗の返事を聞くと明歩は表情を少し緩め、握り拳を尋斗の顎に押し付けた。
- 翌朝、尋斗が起きると女はまだ夢の中にいるらしく微かな寝息が背後でしていた。勿論、尋斗の布団は女が占領中だ。