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    • 2007/1/1 20:03
    • 『AKIHO-明歩-①』
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    • 尋斗は、アルバイトで生活費を稼いでいる、冴えないバンドマンだ。
      バンドといってもアマチュアだし、演奏も大して上手くはない。それでも生活には困ってはいないので、定職にも就かずに続けている。
      この日もバンドの練習を終えて家路についていた。駅からの歩き馴れた道をアパートに向かう途中で、塀にもたれてうずくまっている人影に出くわした。
      時間も遅く、街灯も少ない通りなので、あまり関わるとろくな事がないと感じた尋斗は、人影を避け遠巻きに通りすぎようとした。「おい、ギター男」
      背後から女の声がした。尋斗は自分を呼んでいることは十分分かっていたのだが、あえて聞こえないふりをして足を進めた。
      数秒後、後頭部への衝撃とともにその女の声が通りに響いた。
      「無視してんじゃねぇよ」 尋斗が驚いて振り返ると、女がウィスキーのボトルを片手に立っていた。そして、もう片方の手には、尋斗を襲ったと思われるミュールが……。
      尋斗は状況が飲み込めず、目を丸くして女を凝視するしかなかった。
      暗くてはっきりとは分からないが、長い髪は乱れていて、まるで某ホラー映画のようだった。垂れた髪の奥には、完全に据わっている眼が覗いていた。
      女は一目で酔っ払いであることは分かるが、身につけている服は所々が破れ、泥か土で汚れているようでもあり、普通の酔っ払いではないような雰囲気がしていた。
      「ど、どうかしましたか」 尋斗は驚きで声を震わせながら、女に聞いた。
      女はボトルを口に運び、舌がもつれるような口調で答えた。
      「今晩、家に泊めろ」
      「えっ」
      尋斗は言ってる意味がわからずに聞き返した。
      「帰るとこないから、お前ん家に泊めろって言ってんだよ!何処だ家は?」
      女は脅すような口調で言うと、尋斗の腕をとってフラフラと歩き出した。
      尋斗は、いまだに全く状況が飲み込めないが、おおかた終電にでも乗り遅れたのだろうと思い、一晩くらいなら泊めてやることにした。
      尋斗、26歳、優柔不断で自己主張の出来ない男である。

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