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- 2010/12/30 20:36
- 夢十夜~ユメジュウヤ~ 後編
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- 私は少しの間、頭の中が真っ白になった
彼女は続けて言う
「この間病院行ったら、「おめでたです」って言われてさ」
え?
マジかよ
私は動揺を隠しながら聞いてみる
「相手は?」
時期的に、彼女の傍にいる友達では無いことは確かなはずだが…
「あっちで出会った人」
彼女はとても喜んでいるようだ
「そ…そうか、良かったな」
私は呆然としてそう言うしかなかった
「えー、もっとお祝いの言葉とか無いの?」
確かに、本来は喜ばしいことだ
もっとお祝いの言葉を言えるはず
だが何故?
自分でもよく分からない
「ま、ありがとね、ノフィックス」
彼女はそう言って携帯を友達に返す
向こうでは楽しそうな笑い声が聞こえ、いつものように長話をすると迷惑だと思い、私は彼との会話は早めに切り上げ、電話を切った
その瞬間、目が覚めた
これまでの事は夢だったのだ
目が覚めた私に残ったのは、何とも言いがたい虚無感だった
どうしてこんなに虚しいのだろう
どうしてこんなに苦しいのだろう
時々夢に現れる女性にも重なる『何か』
あの人はその『何か』を持っているのだろうか?
分からない
ただ思うのは
今度は夢じゃなくて
電話越しじゃなくて
面と向かって話がしたいな
終わり
- 私は少しの間、頭の中が真っ白になった