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- 2020/6/18 22:33
- マドンナ・ブルー その3
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- 彼女がハルキの存在に気付いたらしく振り向いた。
何故だ。呼吸に気をつかい、一歩も動いてなどいない。そう、俺はそこら中に生い茂る木々の一つに過ぎない。名前も知らない意味深な植物の数々。俺はこの山の自然と同化していた。
はずだった。
そう信じたい。
そんな彼の愚かな思考を他所に、目の前のテンプレ幽霊は語る。
「ハルキ君、今度はちゃんと私を殺してね。」
月に照らされたその肌は白く、美しく、まさに空高く鎮座するお月様の様であった。ハルキを真っ直ぐに見つめるその瞳は燃えたがる炎の如く美しい赤であり、黒髪と相まって、その姿はまるで黒ウサギである。
彼女が放った言葉を理解したのは、その感動を心で整理した後だった。
to be continued →
- 彼女がハルキの存在に気付いたらしく振り向いた。