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    • 2012/6/20 11:31
    • おっぱお君
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    • 私は今東京へ出張へ来ている
      昨日の夜は早く床につき、いつもと変わらない朝を迎える…はずだった
      当たり前のように夢から覚めて当たり前のように今日帰り、当たり前のように明日からも生活するはずだった
      これはもしかしたら夢の延長なのかもしれない

      自分のことをおっぱお君と呼ぶ変な生き物に出会った
      おっぱお君はいつの間にか私に生殖していたのだ
      話しかけられるまで私はずっと彼の存在には気付かなかった
      彼はふと、思い出したかのように話始めた
      おっぱお君の仲間は皆、極度の寂しがり屋で必ず誰かと共に生活しているらしい
      運動が苦手で、宙に浮いているくせに重力に逆らえないその身体を常に守られていたいらしい
      おっぱお君は言った
      「いつか、僕の姿が変わっても僕はずっと君と生きるよ。産まれた時間はバラバラだけど、死ぬときは一緒なんだ。唯一、君が大好きな僕の願いが叶うときはその時だけなんだと思うんだ。」
      私は、自分の頬が濡れていることをそこで初めて知った
      おっぱお君に会えたことが嬉しかった
      ただ、その涙が嬉しかったから流れたのか
      おっぱお君の生涯に同情したからなのか
      非力な彼をいとおしく感じたからなのか
      それはわからなかった
      いつまでもいつまでも、おっぱお君は私に寄り添っていた

      もちろん、これらは夢の中はなしだ

      ただ一つ、目覚めてもおっぱお君は私のそばにいたのだ
      「君と生きるよ。死ぬときは一緒なんだ。」
      そう夢の中で言っていた、彼の切ない声が響いた
      私は彼を、優しく抱き締めた
      そしていつものように下着とワイシャツとチノパンを身に纏い、今日も1日を終える
      それは明日も明後日も、ずっとずっと変わらないことである








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